足・足首の痛み
足・足首の痛み

捻挫とは、関節に強い力が加わって靭帯や腱、軟骨などが傷つくケガのことです。レントゲンで骨折や脱臼が確認できない場合、多くは「捻挫」と診断されます。体のさまざまな関節で起こりますが、最も多いのは足首(足関節)の捻挫です。走行中の急な方向転換や転倒、段差での踏み外し、交通事故などが原因になります。典型的なのは、足首を内側にひねる「内反捻挫」で、外くるぶし付近の前距腓靭帯が伸びたり切れたりして生じます。軽症~中等症はRICE処置とリハビリで改善します。重症では固定が必要な場合もあります。手術は稀ですが、不安定性が残る場合には検討されます。
外反母趾とは、足の親指(母趾)の付け根が外側に突き出し、親指が人差し指側に曲がってしまう状態です。親指が20度以上曲がると外反母趾と診断されます。突出部は靴に当たって腫れや痛みが出やすく、進行すると歩行に支障が出たり、他の指に重なったり、亜脱臼(関節がずれる状態)を起こすこともあります。先の細い靴やヒールの高い靴の使用、関節リウマチ、加齢による筋力低下、遺伝的な足の形や靭帯の弱さなどが挙げられる為、女性に多く見られます。治療は、まず保存療法が中心です。幅広の靴を選ぶ、ストレッチや足の筋肉を鍛える体操を行う、矯正用の装具や足底板を使用するなどが効果的です。保存療法で改善しない場合や痛みが強い場合には、骨を切って矯正する手術を行います。
アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐ、人体で最も太い腱です。この腱が部分的または完全に切れるケガです。テニスやサッカー、バレーなどでのジャンプやダッシュ、ターンなど急な動作で起こることが多く、30~40代のスポーツ愛好家に多く見られます。また、階段を踏み外したり日常動作でも発生することがあります。受傷時には「蹴られた」「何かが当たった」「破裂音がした」と感じることが多いです。直後は体重がかけられず転倒することもありますが、痛みが落ち着くと歩ける場合もありますが、ふくらはぎの筋肉が働かないためつま先立ちができなくなるのが特徴です。
診断は比較的容易で、アキレス腱にへこみがある、圧痛がある、ふくらはぎをつまんでも足首が動かない(トンプソンテスト)といった所見で判断できます。レントゲンでは異常が出ないことが多いです。アキレス腱だけではなくふくらはぎ、太ももの裏側の筋肉の損傷などもあるため超音波での筋肉や腱の損傷具合を確認します。
痛風(つうふう)は、血液中の尿酸が増えて関節内に結晶として沈着し、炎症や激しい痛みを引き起こす病気です。男性に多く、働き盛りの40〜50代で発症しやすい傾向があります。足の親指の付け根に起こることが多く、発作時には関節が赤く腫れ、触れるだけでも強い痛みを感じます。夜間から早朝にかけて突然発症するのが特徴です。
原因は、尿酸値の高い状態(高尿酸血症)が長く続くことです。プリン体を多く含む食事(肉類・内臓・アルコールなど)、肥満、過食、ストレス、腎機能の低下などが関与します。治療は、発作時には炎症や痛みを抑える薬を使用します。発作が落ち着いた後は、再発を防ぐために尿酸値を下げる薬を継続的に服用し、食事や生活習慣の改善も重要です。プリン体を控え、アルコールを減らし、水分を十分にとることが予防につながります。
扁平足とは、足の裏にある土踏まず(足のアーチ)が低下または消失し、足の裏全体が地面に接している状態をいいます。アーチがなくなることで衝撃をうまく吸収できなくなり、長時間歩くと足が疲れやすい、土踏まずやかかと、すねに痛みが出るなどの症状が現れます。原因は大きく2つあり、生まれつきアーチが形成されにくい先天性の扁平足と、加齢や体重増加、筋力低下、靭帯の緩みなどによって徐々に起こる後天性の扁平足があります。特に中高年では後天性のものが多く、足首の内側の腱(後脛骨筋腱)が弱くなることで進行する場合があります。軽度の場合は痛みが出にくい靴の選択や、中敷き(インソール)によってアーチを支える必要があります。足の筋肉を鍛える体操やストレッチも有効です。
扁平足が足の縦のアーチが低下しているのに対し、開張足とは、足の指の付け根を横に結ぶアーチが低下している状態をいいます。原因としては、扁平足と同様にハイヒールやパンプスなどの靴が挙げられます。治療についても形などは違いますが、扁平足と同様となります。
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